イトウ保護連絡協議会

Japanese Huchen Conservation Network

ソラプチ・イトウの会

「ソラプチイトウの会」は空知川のイトウが将来にわたり安定的に生息できる河川環境を維持・再生し、その保護管理策を実行するために地元住民や研究者を中心に設立されたボランティア組織です。空知川とイトウについて「知り、考え、行動する」を指針とします。「ソラプチ」とは空知川を示すアイヌ語で「滝の多い川」を意味します。

会長:小松忠雄
所在地:南富良野町落合163
事務局:大光明宏武
E-mail
設立:2003年4月1日
会員数:15名
河川:空知川


南富良野町は2009年、全国で初めて「イトウ保護管理条例」を制定しました。


 2002年10月、ニセコ町におけるイトウ保護連絡協議会・設立総会と北海道イトウ保護フォーラムに参加した町内の有志と空知川を調査フィールドとするイトウ研究者を中心に準備会を開設。

 2003年4月、イトウ保護連絡協議会の構成団体として設立をはたす。名称とした「ソラプチ」とは「滝の多い川」を意味するアイヌ語で、空知川の語源である。

 空知川水系のイトウ個体群に関しては、本会の設立に関わった川村洋司氏(道立水産孵化場)と江戸謙顕氏(イトウ保護連絡協議会事務局)の調査により綿密な生態データが蓄積されている。本会はその専門的な知見をもとに空知川流域の地域特性に即した保護管理策を模索、実践することを活動目標とする。

 空知川水系では、現在、北海道内水面漁場管理委員会の委員会指示により「イトウの産卵期禁漁」が定められているが、本会では産卵期における永続的で、より拘束力の強い法的規制の適用を目指す。また、空知川流域においては森林伐採、移入種問題、河川改修、河川利用の活発化など危惧すべき事態があり「イトウ保護のための地域システム」の構築が求められている。これら課題の解決には地元の行政や住民、河川利用者など広い層の理解と協力を要する。

 このため、設立年度である2003年度は普及・啓発活動を重点項目とし、公開学習会や座談会を開催、10月には「第2回北海道イトウ保護フォーラム2003in南富良野」を開催しイトウ保護を全道レベルで推進する必要性を広く訴えた。

 2004年度以降は、流域を貫通する高速道路と道道の工事、国有林の伐採などに対処すべく、その事業主体との協議が活動の中心であった。

 今後はイトウ資源の永続的な保護保全のための「地域システム」構築を地域住民が主体となって関係機関と協議、推進する必要がある。

(第5回北海道イトウ保護フォーラム2006 in 斜里パンフレットより)